ファイザーワクチンのターボ癌誘発を証明したベルギーの研究とは?

COVID-19

2023年11月29日更新

ちょろと
ちょろと

どうも、ちょろとです。

今回は、X【Twitter】でバズったコロナワクチン問題の投稿の一つである、ファイザーmRNAワクチンのターボ癌誘発を証明したとされるベルギーの研究についてのソースを見つけ、著者の論文から、事実かどうかを明らかにしました。

 

投稿のソースを探してみた

まずは「新たな研究でファイザーmRNA誘発ターボ癌を証明」と検索してみました。

そしたら、こちらのサイト(🚨ターボ癌: 新しい研究はファイザーのmRNA誘発性ターボ癌を証明|369cocoa (note.com))が見つかりました。

本文はXの投稿主と同様の内容ですが、どうやらSander Eensらによるベルギーの新しい研究とあるので、Sander Eens氏らが研究した方でしょうか?

また、こちらのTelegramのサイト(Telegram: Contact @STFNREPORT)が紹介されてますね。

その投稿の一番下に研究のソースらしきもの(https://ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P)がありますが、「ページが利用できません」と表示されてしまいました。

それでは、「Sander Eensらによるベルギーの新しい研究」と検索しましょう。

そしたら、はてなブログの記事(ファイザーのmRNAワクチンがターボがんを誘発することを新たな研究が証明。 – Tanto Tempo (hatenablog.com))が見つかりました。

この記事の内容から、アメリカの医学博士ウイリアム・マーキス氏が、Twitterでこの研究を紹介した方のようです。

このTwitterの投稿に研究のソース(BALB/cマウスにおけるBNT162b2 mRNAブースター静脈内投与後のB細胞リンパ芽球性リンパ腫:症例報告-PMC (nih.gov))[1]が記載されてますね。

Sander Eens氏の記載があることから、どうやらこの研究がソース元のようですね。

 

研究はターボ癌を証明しているか?

それでは論文を見てみましょう。

タイトルを翻訳すると「BALB/cマウスの中にBNT162b2 mRNAを静脈内にブースター接種した場合のB細胞リンパ芽球性リンパ腫の症例報告」といった感じですね。

ん?タイトルにターボ癌(Turbo cancer)は入ってないですね。文章を読み進めてみても、ターボ癌(Turbo cancer)という文字は観測できませんでした。おかしいですね。

よく見たら付録のページがあったので見てみましょう(補遺:BALB / cマウスの静脈内BNT162b2 mRNAブースター後のB細胞リンパ芽球性リンパ腫:症例報告-PMC (nih.gov))[2]

ページを読んでみると、「we explicitly indicated the lacking evidence for causality between mRNA vaccination and the observed lymphoma.」と書いてあり、mRNAワクチン接種とリンパ腫との因果関係のエビデンスが足りないと言及しており

さらに、「our case report has been largely misinterpreted and used as a study providing evidence that mRNA COVID-19 vaccination can trigger a phenomenon which has non-scientifically been referred to as “turbo cancer”. First of all, we wish to unequivocally disassociate ourselves from this term. In our case report, 」と記載されており、SNSでターボ癌を示す研究として注目を集めているが、著者らの研究はターボ癌との関係を明確に断ち切ると言っていますね。

 

まとめ

結論として、著者が自らmRNAワクチン接種とリンパ腫との因果関係のエビデンス不足に加え、ターボ癌との関係を切り離していることから、この研究によってターボ癌の誘発を証明したわけではないということになりますね。

ただし、ファイザー社製mRNAワクチンの2回目接種から2日後にBALB/cマウスが自然死し、解剖時に器官が肥大し、検査でB細胞リンパ芽球性リンパ腫の診断に至ったことは間違いないそうです。

また、症例報告の付録は、2023年10月20日にオンライン公開されているので、X【Twitter】で投稿した方は仕方ない部分もあるでしょうが、リンパ芽球性リンパ腫を安易にターボ癌と定義してしまったり、拡散させてしまうことは危うい習慣だということが学べますね。

とはいえ、そもそも研究や論文のデータが異なったり、少数派が多数派の圧力によって却下・改ざんされるなど、前提から破綻している可能性も考慮する必要はありますね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

また、情報を提供くださった方々に感謝いたします。

参考文献

1. Eens S, Van Hecke M, Favere K, Tousseyn T, Guns PJ, Roskams T, et al.. “B-cell lymphoblastic lymphoma following intravenous BNT162b2 mRNA booster in a BALB/c mouse: A case report.” Front Oncol (2023) 13:1158124.[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10183601/]

2. Eens S, Van Hecke M, Favere K, Tousseyn T, Guns PJ, Roskams T, et al.. “Addendum: B-cell lymphoblastic lymphoma following intravenous BNT162b2 mRNA booster in a BALB/c mouse: a case report”. Front Oncol (2023) 13:1267904.[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10622962/]

 

コメント

error: にゃんっ!エッチ-!
タイトルとURLをコピーしました